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赤ちゃんのときにやっておきたいこと

赤ちゃんのお口豆知識
  歯はいつごろ生えてくるの?
  指しゃぶりは出っ歯になる?
  母乳は虫歯の原因?

赤ちゃんから始める虫歯予防
  「感染の窓」を知っていますか?
  虫歯菌の感染に目くじらたてないで!
  歯磨きの練習を始めましょう
  歯ブラシデビューはいつ?
  「我が家のおやつ」のルール作りは最初が肝心!

元気なお口を育てましょう
  発達をのんびり見守りましょう
  ハイハイをいっぱいしよう
  赤ちゃんなのに歯ぎしり?
  お口のマッサージをしてあげよう

赤ちゃんのお口豆知識

歯はいつごろ生えてくるの?

最初の歯は、生後6〜9か月に下の前歯から生えてくるのが一般的ですが、歯が生える時期には個人差がかなりあります。(左の絵は目安の時期です。)
1才近くになってもまだ歯の生えてこない赤ちゃんもたくさんいます。 1才半になっても1本も歯が生えてこない場合には、小児歯科で一度診てもらうとよいでしょう。
反対に、生まれたときすでに歯が生えていたり、生後1か月くらいで歯が生えてくる赤ちゃんも時々いますが、おっぱいを飲むときにべろを傷つけてしまったり、歯がまだ未熟でぐらぐらしてしまっていたりすることがありますので、早めに小児歯科を受診することをお勧めします。

指しゃぶりは出っ歯になる?

「指しゃぶりするんですけど、出っ歯になりませんか?」
と心配されるママが多いですが、赤ちゃんの時期の指しゃぶりがその後の歯並びに影響することはありません。
一時的に上の前歯が指で押されてちょっと前に出ることもありますが、3〜4歳くらいになって指しゃぶりをしなくなれば元に戻りますのでご心配なく。「お口の中になにか入れる」という発達の重要な一段階ですので、たくさんさせてあげてください。
赤ちゃんの指しゃぶりは生後2か月くらいから、両手の親指をしゃぶり始める子が多いです。
4か月くらいまでは親指を中に入れてこぶしを握っていることが多いのですが、4か月をすぎてもなかなかこぶしを開かない赤ちゃんには、ママがこぶしの中に指を入れて握らせてあげるとてのひらがほぐれやすくなります。
小学校にあがる頃の指しゃぶりについては、歯並びに影響を与えますので、4歳をすぎても指しゃぶりがある場合には、小児歯科や矯正歯科にご相談されることをお勧めします。

母乳は虫歯の原因?

「母乳は虫歯の原因なので早く断乳を!」という人もいれば「母乳で虫歯になることはありません!」と言う人もいる。本当はどっちなんだろう・・・ママたちは悩んでしまいます。
正解はどちらも「半分本当」と考えられます。
母乳には乳糖という成分が含まれていて、砂糖よりは虫歯になりにくいのですが、全く虫歯の原因にならないわけではありません。
でもこれは「母乳だから」というわけではなく、ミルクでも同じことです。
ではどうして母乳だけが「ミルクよりも虫歯になりやすい」というイメージがあるのでしょうか?
虫歯の原因は「母乳」や「ミルク」そのものというよりは、その飲ませ方に原因があります。
お口の中がきれいになっていない状態のところに、夜寝ながら母乳やミルクなどの糖分を含んだ液体を飲むと、それは虫歯の原因になります。「夜寝ながら何度も飲む」ことが、ミルクよりも母乳の方が多いことから、「ミルクよりも母乳のほうが虫歯になる」というイメージを作り出したようです。
寝かしつけの最後の授乳の前にお口をきれいにしておくことや、夜頻繁におっぱいをくわえさせないようにすることで、虫歯のリスクを減らすことができます。
そもそも虫歯菌が住みついてしまうような甘いものを、卒乳前の赤ちゃんの時期からデビューさせないことが最も重要です。
「甘いもの食べたい」「仕上げ磨きは絶対いや」でも「おっぱい飲んで眠りたい」。全部いいなりになっていたら、虫歯になってしまうのは残念ながら本当です。
ママや赤ちゃんのためにとても大切なおっぱい育児を続けるためには、母乳以外の生活の部分を見直すことが虫歯にならないための鍵なのです。
母乳と虫歯については、「小児科と小児歯科の保健検討委員会」から見解が出ていますのでご一読ください。
顎の発達のためにも、べろやお口の周りの筋肉の発達のためにも、母乳をしっかり飲むことはとても大切ですので、「虫歯になりやすい・・かもしれない」という理由だけのために母乳をやめてしまうのはとてももったいないことだと思います。

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赤ちゃんから始める虫歯予防

「感染の窓」を知っていますか?

赤ちゃんは産まれたとき、お口の中に虫歯菌が全くいません。
1歳半から2歳7か月くらいの間に周りの人、特にママから唾液を介して虫歯菌の感染が集中しておこることがわかっていて、この時期のことを「『感染の窓』が開いている」という言い方をします。
この時期を過ぎると、お口の中の菌のバランスが安定するため、新たな虫歯菌の感染は起きづらいのです。
だからといってママが頬ずりしたりチューしたりしないほうがいいというわけではありません。赤ちゃんはママといっぱい触れ合うほうがいい。
それよりも、お子さんが3歳になるまでの間、ママを始め周りの家族全員でお口のケアをして虫歯菌を減らすことで、お子さんのお口の中の虫歯菌を減らすことができますので、まずは家族のお口の中をきれいにすることを心がけましょう。
この時期にママやパパも定期的に歯科医院でクリーニングしてもらうことをおすすめします。

「虫歯菌の感染」に目くじら立てないで!

ひとつ前のお話と反対のことを言うようですが・・・赤ちゃんへの「虫歯菌の感染」にあまりに神経質になる必要もないのです。
「大人の唾液から虫歯菌が感染する」というお話が一般的になってきたためか、 「絶対大人の唾液にふれさせない!」とがんばりすぎてしまうママが増えているように思います。
「赤ちゃんの手が大人の口に触れたらすぐにアルコール消毒をしています」とか、「赤ちゃんには絶対チュー禁止にしてたのにパパがしてしまった」「おばあちゃんが同じコップのお水をあげてしまった」と、とっても悲しくなってしまうママがたくさんいるようです。
赤ちゃんを完全無菌状態で育てることはできません。
虫歯菌の感染を減らすために大事なのは、「絶対触れさせない!」ことではなく、一番近くにいるママやパパがお口をきれいにしておくこと。でもいつか必ず感染していくものなので、歯が増えてきたら虫歯にならないように食生活と歯みがきに気を付ける。このくらいで充分です。
3歳以上のほぼ全ての子のお口のなかには虫歯菌がいるのです。それでも虫歯になる子とならない子がいる。最初の感染の部分だけに神経質になりすぎてしまうのは、あまり意味がありません。
「虫歯菌に感染しちゃうかも!」という見えない敵のせいでママがピリピリしてしまってパパやおばあちゃんと喧嘩・・・なんて、せっかくの楽しい赤ちゃんとの生活なのにもったいないことです。

歯磨きの練習を始めましょう

歯のない時期から歯磨きの準備としてお口の中を触ることを始めましょう。
赤ちゃんは唇や口の中が体中で最も敏感なところなので、触れられるのに慣らすことが大切です。
毎日夜寝る前にママやパパのお膝にごろんと寝かせて、お口の周りや中を触ってみましょう。
最初に生えてくる乳歯は下の前歯のことが多いですが、下の前歯は最もむし歯になりにくいので、生えてすぐごしごしみがく必要はありません。
ご機嫌が良ければ、歯磨きの練習としてガーゼなどで優しく歯を拭ってあげれば充分です。

歯ブラシデビューはいつ?

上の前歯4本が生えたら、いよいよ歯ブラシでの歯磨きに挑戦です。
歯磨き嫌いの原因として一番多いのが、磨く力が強すぎて痛いことだと思います。
どのくらいの力でどんな風に磨いたら痛くないのかな?ママとパパで仕上げ磨きをし合ってみてください。
目安は100gと言われています。キッチンスケールに歯ブラシを100gの力で押しつけてみると、意外と弱いことに驚くママが多いです。
どのくらい歯が生えたらどんな風に仕上げ磨きをしたらいいのか?歯ブラシデビューのときには小児歯科で一度ご相談されることをおすすめします。
「皮膚病になったら困るから!」という目的で赤ちゃんを毎日お風呂に入れてゴシゴシこすっているというママはあまりいないと思います。
歯磨きも「虫歯になったら困る!」と必死な顔でゴシゴシやるものではありません。
今日もいっぱいおいしいもの食べたからきれいにしようね。きれいになると気持ちいいね。
そんな気持ちで毎日お口をきれいにしてあげてください。

「我が家のおやつ」ルール作りは最初が肝心です!

小さな子どもの歯を、毎日隅から隅までぴかぴかに磨くのはまず不可能でしょう。
虫歯予防には、「毎日完璧に歯磨き」よりも「甘いものをだらだら食べたり飲んだりさせない」ことの方がずっと簡単で効果的です。
おっぱいやミルク以外の飲みものは水かお茶だけにする。
3歳までは市販のお菓子類は極力与えない。
おやつやお食事のあと2時間、お水以外は何もお口にいれなければ、唾液の力で自然にお口の中はきれいになります。
ジュースもアメも、知らないのが子どもにとっては一番幸せ。
泣いたらアメ?おでかけしたら自動販売機でジュース?
一度覚えたら子どもは次から何が何でも要求します。
「我が家のルール」作りは最初が肝心!甘いおやつのデビューをできるだけ遅らせるのは、赤ちゃんのときにしかできない最高の虫歯予防です。

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元気なお口を育てましょう

発達をのんびり見守りましょう

赤ちゃんは生まれたときから、自分の身を守るために様々な反射を身に着けています。 反射が消えていくことで発達が進んでいきますので、あせらずに見守ってあげましょう。
例えば、指をぎゅっとつかむ反射が消えていくことで、手のひらを開いて体を支えたり動いたりすることができるようになったり、足の指をぎゅっと縮める反射がなくなることで、足の裏で蹴って進むハイハイができるようになったりするのです。
まだ体の準備が整っていない赤ちゃんに無理やり次の発達段階のことをやらせようと思っても、難しいということになります。
8か月くらいになると、赤ちゃんの体を抱っこしたままちょっと倒すと、倒れる方向にハッと手を出して支えようとする「パラシュート反応」が出てきます。
自分でお座りをするようになったとき、倒れるのを防ぐための大切な反応です。 この反応がしっかり出るようになってからお座りをさせることが大切です。
転ぶときに手を出せず、顔から転倒して前歯を折ってしまう子がたくさんいます。 転倒する際に手をハッと出すのは大きくなってからのケガの予防にもとても重要ですので、しっかり体の準備ができてからお座りをさせるようにしましょう。
健診などでパラシュート反応が出なかった・・・と心配してしまうママも多いですが、赤ちゃんの体の反応はご機嫌やそのときの状況にもとても左右されます。自分で確認してみてもよくわからないということも多いでしょう。
ひとつの目安として、赤ちゃんが自分でハイハイからお座りができるようになれば、お座りのための体の準備はもう大丈夫と言えます。

ハイハイをいっぱいしよう

ハイハイは全身の筋肉をたくさん使います。背中や肩、おしりなど正しい姿勢をとるための筋肉や、しっかり噛んだり喋ったりするのに必要な顎の発達のために、なるべくたくさんさせてあげましょう。
つかまり立ちができるようになると、視点が高くなるのが嬉しくてすぐにたっちしたくなりますが、お家の中でお布団で小さい山を作ったり、お外でちょっと坂道になっているところで遊んだりすると、ハイハイを促すことができます(必ず大人が近くで見ていてあげてください)。
赤ちゃんの中には、ハイハイをほとんどしないままあんよができるようになる子もいます。
「ハイハイが大切」という情報がネットなどにたくさんあるのでママが心配されることも多いのですが、 あんよができるようになってからでも、ママがトンネルをつくってくぐらせたり、遊びの中にハイハイを取り入れてあげることはできます。
ママも一緒にハイハイすると喜んでいっぱいハイハイしてくれる赤ちゃんが多いので、ママのダイエットにもなって一石二鳥?一緒にハイハイしてみると、全身運動だということがよくわかると思います。

赤ちゃんなのに歯ぎしり?

まだ歯がほんの少ししか生えていないのに、もうママがびっくりするくらいの音をたてて歯ぎしりをする赤ちゃんがいます。
歯がだんだん生えそろってくると自然に歯ぎしりをしなくなる赤ちゃんがほとんどですので心配することはありません。
お口の周りや耳、首の後ろなどをマッサージしてあげると、筋肉がほぐれて歯ぎしりをしなくなる赤ちゃんもいますので、試してみてもよいでしょう。
歯ぎしりを始めたら、カミカミできるようなおもちゃをあげると、左右にこする動きではなく、「咬む」という上下運動に誘導できます。
赤ちゃんが自分の歯が削れてしまうほど歯ぎしりをすることはまずありませんが、心配でしたら一度小児歯科に相談してみましょう。

お口のマッサージをしてあげよう

まだ歯が萌える前でも、1日1回赤ちゃんのお口の周りや中をマッサージして柔らかいお口をつくってあげましょう。
唇やお口の中はとても敏感な場所なので、いきなり触ると嫌がる赤ちゃんが多いと思います。そんなときは体の外側から内側の順番でゆっくり触っていきましょう。
どこをどんな風に触ると赤ちゃんが気持ちよさそうかな?
ママが確認しながら、ほっぺ、お口の周り、唇、唇の裏、ほっぺの裏、歯肉・・・嫌がらない範囲で少しずつ優しくマッサージしてあげてください。
赤ちゃんがお口の中を触られることに慣れることももちろんですが、ママが赤ちゃんのお口を触ることに慣れることで、歯ブラシの開始もスムーズになります。

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